プログレッシヴ・アンダーグラウンド・メタルのめくるめく世界:参考資料集【初期デスメタル篇】(内容説明・抄訳更新中)

こちらの記事
の具体的な内容・抄訳です。


【初期デスメタル

DEATH
MORBID ANGEL
CARCASS
PESTILENCE
NOCTURNUS
XYSMA
CARBONIZED
diSEMBOWELMENT
SEPTICFLESH
PAN.THY.MONIUM
DEMILICH
CRYPTOPSY

(内容説明・抄訳のあるものは黒字にしています)


MORBID ANGEL(アメリカ)》


Pete Sandovalインタビュー(『G』発表後)
18〜19歳の頃からドラムスを演奏しはじめた
初期SLAYER、POSSESSED、DARK ANGEL、SODOM、DESTRUCTION、KREATOR、初期METALLICAなどに影響を受けた:最も好きなドラマーはDave Lombardo(ex.SLAYER)

TERRORIZERとSADISTIC INTENTはほぼ同期

逆十字は自由の証
ポジティブなものがポジティブなものを生む:ネガティブなものはネガティブなものを生む

ツアーと節制の話:『Domination』以降は飲酒を控えることにより演奏が良くなった

KORNによる「God of Emptiness」カバー(未発表)


Trey Azagthothインタビュー
よく聴くもの:VADER、ANGEL CORPSE、DEICIDE(初期)、DIABOLIC、THE GATHERING(『Nighttime Birds』)、DEAD CAN DANCE、日本のアニメ音楽


Trey Azagthothインタビュー
R&Bからの影響


Trey Azagthothインタビュー('03.9.23)
(人生の一枚を問われて)選ぶのは難しい:VAN HALEN、THE GATHERING、PINK FLOYD


Trey Azagthothインタビュー(『G』の後:'00年?)


NOCTURNUS(アメリカ)》


Mike Browningインタビュー(2013.4.4)
MORBID ANGEL『Abominations of Desolation』('86録音)は、Treyなどはデモ扱いしているけれども、自分は最初のフルアルバムだと考えている
録音後、フロリダで、MikeのガールフレンドをTreyが奪っている現場に突入したことで喧嘩になり、MORBID ANGELからは脱退した→INCUBUSを再結成した('86〜'87)
AFTER DEATHでは『The Key』の全曲と『Abominations of Desolation』数曲をやる


SEPTICFLESHギリシャ)》


Sotirisインタビュー(2003.11:解散に前後して)
ドラムマシンの話


Christosインタビュー(2013.12.5)
(別紙にメモ)


Sotirisインタビュー(2014.6.26)
バイオリン(5歳〜)からギターに転向
IRON MAIDEN、DEATH、MORBID ANGEL、POSSESSED、CELTIC FROSTほか
(Christos:the London College of Musicで学ぶ:Stravinskyなどを好む)
CELTIC FROSTのアヴァンギャルドな実験に常に敬服

『Titan』:作曲に6ヶ月、録音に3ヶ月、Logan Maderとのポストプロダクションに3ヶ月
音楽的にはトータル・アルバムで、どれか一つ「お気に入り」を挙げることはできない


Christosインタビュー(2014.7.5)
オーケストレーションはラップトップから出力
ツアーが最も重要、アルバムも大事
意識としては'08年に「バンドが始動した」。('03年の解散前はあまりライヴをできていなかった)(名前を変えたのにはそれなりの意味があるようだ)
休止中にはthe London College of Musicで学び、学士号・修士号を取得
(Spirosはアテネでfine artsを学ぶ)

Prague Phillharmonic Orchestra(『Titan』で4回目の共演)(RHAPSODY OF FIREやDIMMU BORGIR(Wacken2012で共演)の作品にも参加)
レコーディングでは1セッション4時間:よく準備したスコアとディレクションが必須

'14年9月にアテネで演奏される小規模オペラを作曲中
Stravinsky(「春の祭典」:作曲家を志望する動機になった)、Paderewski、Xenakis
映画音楽:Elliot Goldenthal、Hans Zimmer
メタルパートの作曲は他メンバーが担当

常に新しいものを作り続けたい

「25周年」('90年結成)とは思っていないので、レーベルの意向はわからないが、自分達としてはそういう企画の予定はない

Sotirisは銀行勤めの仕事があるためツアーに出られない

Fotis(ドラマー)とスタジオを共有
バンドだけでは食えない:副業があるからこそこうしてツアーすることができている(FLESHGOD APOCALYPSEとの北米ツアー中にインタビュー)


 《PAN.THY.MONIUMスウェーデン)》


Benny Larssonインタビュー(1990:『…Dawn』発表後)

自分達のメインバンドEDGE OF SANITYとは違うことをやろうとしている
PAN.THY.MONIUMは「place of all evil」の意
歌詞に大した意味はなく、音楽自体が語っている
バンドの影響源として大きいのはBOLT THROWERとNOCTURNUS。個人的にはヒップホップ以外なんでも聴き、CELTIC FROSTやGOREFEST、MOTORHEADやNO SECURITY、AGATHOCLESなどがお気に入り
プロジェクト・バンドという位置付けで、ライヴはやらない


Dan Swanö(Day DiSyaah名義・ベース)インタビュー(2011.8.28)

(記事執筆者によるリード文:テーマはおそらくRaagoonshinnah(闇の神)とAmaraah(光の神)との戦いなのだが、ボーカルから歌詞を聴き取ることは不可能で、そもそも具体的な歌詞自体存在しないのではないかとも言われている。)

他のメンバーは意欲を示していたが、Danの意向により解散。

'90年の春に結成(その時はまだライヴで再現できる範囲のことしかやっていなかった)
Robert Ivarsson(Mourning名義・リズムギター)とBOLT THROWER「World Eater」のパクリのようなリフをRobbanのリハーサルルームででジャムしていた時から全てが始まったと思う
CELTIC FROSTやHELLHAMMERのようなスラッジものを好む」Benny Larsson(Winter名義・ドラムス:EDGE OF SANITYでのDanの同僚)が加入してPAN.THY.MONIUMの原型ができたのではないかと思う
Roberth Karlsson(Derelict名義・ボーカル:現SCAR SYMMETRY)はリハーサルルームの辺りで知り合った

(MAGMAのようなZeuhl系バンドとの関連を問われて)そちら方面は知らない。自分達は普通のドゥーム・グラインドバンドだったが、ちょうど自分が最もプログレデスメタル両方にのめり込んでいた時期ということもあって、こんな音楽性になった。

作品の自己評価としては、5点満点で
『…Dawn』(デモ・'90):4点
『Dream Ⅱ』(EP・'91):5点
『Dawn of Dreams」('92):3.5点
『Khaooos』('93):2点
『Khaooos & Kon-Fus-ion』('96):3.7点

再結成の可能性がないとは言い切れないが、元メンバーはそれぞれ異なる生活をしているためなかなか難しい
旧作の再発についての意欲はある


Dan Swanö総論インタビュー
(2010.10.30)

7歳でドラムスを始め(後にマルチプレイヤーに)、'84〜'85年頃ハードロックにハマり、'87〜'88年頃はスラッシュメタルにハマっていた

ENTOMBEDのUffeが送ってきたNIRVANAの『Bleach』は自分にとって「ロックとデスメタルの究極の融合」であり、Kurt Cobainが'94年に亡くなる頃にはグランジの大ファンになっていた
(EDGE OF SANITY『Purgatory Aftergrow』('94)はKurtに捧げた作品)


PAN.THY.MONIUMは、EDGE OF SANITYにはそぐわない奇妙なアイデアを試す場だった




DEMILICHフィンランド)》


再発盤『20th Adversary of Emptiness』ブックレットにおけるAntti Bomanロングインタビュー


音楽クラスでベースを演奏させられたことにより、頭の中のことを音にして表現することの楽しさに取り憑かれ、ギタリストになることを決めた
IRON MAIDENやDIOなどから段階的に入っていって(友人の兄などの影響で)、NAPALM DEATHの『Scum』に衝撃を受けた

DEFORMITYからDEMILICHに改名

'90年に作曲開始
BOLT THROWER・PESTILENCE・CARCASS・NAPALM DEATHなどに惚れ込んでいた

ボーカル:L-G Petrov(ENTOMBED)、Martin van Drunen(PESTILENCE・ASPHYX)、Jeff Walker(CARCASS)などを崇拝しつつ、自分なりの新たなものを作りたかった:USスタイルのガーガー声(croaking)は好きではなかったけれども、結果的にはそれに似た感じになった
ボーカルはエフェクト抜き
(リバーブはエフェクトに数えない)

ABHORRENCE、DEMIGOD、SENTENCEDのメンバーと連絡をとっていた

ドラマーのMikkoが複雑なリズムに興味を持っていた:挑戦的な音楽が好き:単調なものは嫌い

バンド名被りを回避しようとしていて、友達がやっていた「Dungeons & Dragons」のルールブックに載っていた名前を使った

歌詞は全て短い物語になっている

カバーは好まない:自分は常に自分独自のものを作ろうと努めてきた:コピーは二流のやること

フルアルバムが初めて満足できた作品

2ndデモ(『The Four Instructive Tales…Of Decomposition』)の後に書かれた初の新曲「Inherited Bowel Levitation」が、DEMILICHの本領を示す初めての曲となった:エポックメイキングな曲だった

1st:予算の関係から、全作業に6日しかかけられなかった
『Nespithe』は“spine”(棘、脊柱、気骨)の意
「The Plant〜」が最後の曲:予めそう決めていたかどうかは定かではないが、その時少なくとも休息が必要だとは感じていたし、そういうとりとめなく希望もない心境が歌詞に表現されていると思う
これが(アメリカの弱小レーベルNecropolisから)発売された頃は既にシーンからドロップアウトしていて、状況には全く無頓着だった。(音楽自体やめていた:バンドもはっきり解散したわけではなく、デスメタル以外の音楽を演奏していたりしたが、その機会も減っていき、リハーサル場所を失う頃には全くやらないようになってしまった)
'98年頃から若い世代によって再評価され初め、そこからゆっくりと、自分が何を成し遂げたのか気づくようになった

『Nespithe』発表後1週間経った頃、スウェーデンストックホルムの友人(CRYPT OF KERBEROS)に招かれ、DEMIGOD・ETERNAL DARKNESS・UTUMNO・NEZGAROTHらと一夜のみのライヴを行った:これ自体は素晴らしい経験だったが、既に生まれてきていたシーンに対する嫌悪感を拭うものではなかった:これ以降DEMILICHは確実に“衰退して”いくことになる
サブジャンルの間ですら相互扶助のあったシーンが、ブラックメタルやその他のクソガキどもにより分断され、自分はあらゆることに疲れてしまった:何のインスピレーションも得られなくなってしまった)

Ville Koistinen(ベース)はポップ・ロックプロジェクトの方に向かったが、他のメンバーは(音楽的には)何もすることにはならなかった

再評価を通して、'02年のテスト運転、'05年〜'06年の録音やツアー(アメリカ含む)〜“1回目の最終ギグ”、'10年の“最後の最終ギグ”、かつてリハーサル場所としていた建物が取り壊されるということで'13年2月に行った“完全非公式のさよならリハーサル場所ギグ”など、断続的な活動を続けている
確約はできないが、今後も活動を続けていく可能性は十分ある
(はっきりした約束はしたくない)

声だけでなく音楽自体(構造・雰囲気)がオリジナルなもの
オリジナルなことを成し遂げながらも、嫉妬と敵意で自壊した。しかし結局、誇りを取り戻すことができている


CRYPTOPSY(カナダ)》


Jon Levasseurインタビュー(1998.4.13)

デスメタルは終わったのではないか」(理由:流行りが行き過ぎた・古いバンドは変化はできても激しさを維持することができない)という話から:
(3rdのためのスタジオ入りの前)
1曲を2〜4ヶ月かけて作る:そうすれば様々な音楽を聴く時間がとれ、各曲が異なる仕上がりになる

メインソングライターはJon(ギターパートの85%を作曲)とFlo
『Blasphemy Made Flesh』はMALEVOLENT CREATIONとSUFFOCATIONの影響が大きいが、そこから出発して、他の何ものでもない自己を確立しようとしてきた
聴き手を(その予想を裏切った上で)喜ばせたい
デスメタルのサタニズムや血みどろのイメージには泥まない
2ndの「Lichmistress」のリフはブルース・ベース
Lord Wormは大学で心理学を専攻
Mikeはもっと個人的・感情的・一般的な表現ができ、声単体としてはLordよりパワフルだと思う
2ndのカバーはFloが選んだ
ライヴでできないことはアルバムでもやらない
『None So Vile』も発表直後は芳しい評価を得られなかった(前作を求める声が多かった)が、程なくして反応は一変した:3rdアルバムに関してもそうなることを期待している
ライヴ活動とスタジオ作業の両方を同様に重視している
(音楽で食っていくことの話など:ジャンル唯一の成功者(訴求力を維持できている)であるMORBID ANGELなどと絡めて)

'92年にはメンバー全員がデスメタルの大ファンだった:NAPALM DEATH、SUFFOCATION、CANNIBAL CORPSE、MORBID ANGEL、ENTOMBED、DISMEMBER、特にMALEVOLENT CREATION
(SUFFOCATION『Effigy of The Forgotten』(1st・'91)とMALEVOLENT CREATION『Retribution』(2nd・'92)が自分にとってはベスト)
(INTERNAL BLEEDINGやDYING FETUS、AUTUMN LEAVESなどが『Effigy of The Forgotten』の影響を受けていないなどと言うのは嘘だと思っている)
Eric(ベース):PRIMUS、Jaco Pastorius
Miguel(ギター):DEAD CAN DANCE(メンバー全員が好き)、
Mike(ボーカル):ハードコア、ブルータルな音楽
Flo(ドラムス):LED ZEPPELINBjorkJeff Buckley、PRIMUS、DREAM THEATER、Dennis Chambers、Dave Weckels
THE GATHERINGなども
Lord(ボーカル):ホラー映画の音楽、Clive Barker(他メンバーは音楽以外のものからはあまり影響を受けていない)


Flo Mounierインタビュー(2008.7.1:『The Unspoken King』に伴うツアー(“メタルコアに日和った”などと言われる音楽性の変化は不評)をうけて)
新しい路線を歓迎しない雰囲気に対し:「建設的な批判は良いけれども、過剰な失望を示す反応が多く、それは早計に感じた」
影響源はメタルに留まらない:影響のるつぼという感じ:MASSIVE ATTACKから想を得た曲もある


Flo Mounierインタビュー(『Cryptopsy』発売後:'12?)
『Once Was Not』以前は一切クリック・トラックを使っていない
影響源:Dennis Chambers、Heracio Hernandez、Todd Suchermanほか多数


Flo Mounierインタビュー(2012.9.24)
影響源は具体的に語らない:「ただ書いただけ」「Jonも自分も異なる影響源をもつ」


Flo Mounierインタビュー(『The Unspoken King』の頃:インドのメディア)
『None So Vile』の方が良かったというようなニュアンスの質問を受けて:自分達のスタイルは変わるもの
全体的に初期(1stと2nd:Lord Worm期)を持ち上げる雰囲気が漂う(この時期を歓迎していない様子が滲み出る)インタビュー:それをいなしていく